【第1回】移転工事を成功させるために事務長が押さえておきたいポイント!

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【第1回】移転工事を成功させるために事務長が押さえておきたいポイント!

はじめに

クリニックの移転工事を担当することになったものの、初めての経験で何をすべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。実際に私も、11月から始まる分院の移転工事を前に多くの課題に直面しました。今回は、同じ経験を持つ他科の事務長さんからのアドバイスや保健所から受けたアドバイスを元に、押さえるべきポイントをまとめました。

1. 保健所への早期相談が最優先

移転工事が始まる前に、保健所へ図面を持参して相談することが最重要です。事前相談を怠ると、申請手続きが間に合わず、工事着工できず移転オープンが遅れるリスクがあります。

ポイント
  • 必要な図面は、クリニックのレイアウトを詳細に記載した平面図(特に診察室や処置室、オペ室がある施設は壁などの素材も重要です)。
  • 診療所開設許可申請書を提出するための条件を確認。
  • 必要な書類と提出期限を保健所で直接確認し、スケジュールを組む。
    賃貸の場合は、賃貸借契約書の写しも必要。

2. 医療法人の場合は「定款変更」が必要

保健所からのアドバイスによると、医療法人の場合は定款変更の手続きが必要になります。この手続きには1~2ヶ月かかるため、早めの対応が不可欠です。

ポイント
  • 医療法人としての新住所を定款に反映する必要がある。
  • 管轄の法務局に変更内容を届け出るため、弁護士や司法書士に依頼するのも一つの手段。
    私は司法書士に依頼し、大阪府へ提出していただきました。
  • 定款変更後、保健所や関係各所に必要書類を提出。

3. 工事スケジュールと申請手続きを連携させる

移転工事と申請手続きのタイミングをしっかりと連携させることが重要です。申請が遅れると開設許可が下りず、予定通りのオープンができなくなる可能性があります。

ポイント
  • 工事スケジュールを詳細に確認し、進捗に遅れがないか定期的にチェック。
  • 保健所の指導を受けた後は、必要に応じて図面を修正。
  • 医療機器の搬入時期も考慮し、全体のタイムラインを作成。

4. 情報共有と患者さんへの告知

移転計画が進む中で、関係者や患者さんへの情報共有を忘れずに行いましょう。スムーズな移転のためには、内部と外部の両方で計画を共有することが鍵となります。

ポイント
  • スタッフ向け: 進捗状況を定期的に報告し、図面上の動線やドアの開く方向など各部署へのヒアリングを忘れずに。
  • 患者さん向け: 新しい住所やオープン日を早めに告知する。公式ウェブサイトや院内掲示物での案内が効果的。
  • 地域向け: 内覧会やイベントの計画を立て、地域住民への認知度を高める。

5. 確認すべき追加事項

他科の事務長さんや保健所の担当者から受けたアドバイスを元に、追加で確認すべき事項をリストアップしておきます。

  • 消防法や建築基準法の要件を満たしているか。
  • テナントで賃貸契約している場合、契約書にて解約時期(解約の3か月前などの記載)を確認しておく。
  • 取引先への通知と契約変更の準備。
  • 新しい住所での医療機器の設置条件や配置確認。
  • 移転に伴い廃棄する機器や新規導入する機器などの検討。
  • リース業者の選定と見積依頼。

まとめ

初めての移転工事は戸惑うことが多いですが、事前準備と適切な相談が成功への鍵です。特に保健所への早期相談と、医療法人としての手続きを忘れずに行うことが重要です。スムーズな移転を実現し、患者さんに安心して利用していただける環境を整えましょう。

移転に向けた準備は、信頼できる開業支援やコンサルタントに相談しながら進めると安心です。


次回は、移転計画の本格始動と試行錯誤の中で得た学びことをお届けします。

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